住み始めた瞬間から価値が下がる日本の住宅と、長く住むことでどんどん味が出てくるイギリスの家。
どうしてこうなってしまったのか?それは高度経済成長までさかのぼります。住宅が大量に建築されていくことはGDP拡大にも貢献したため、より多くの建設を進めようと、住宅は「質より量」が重視されていき、それはいつしか「家は30年で建て替えるモノ」という考えを日本社会に拡散させ、日本の家に『寿命』を与えてしまう結果となったのです。質が重視されない住宅は、完成から10年でメンテナンスが必要となることを前提に建てられ、消費者はまるでそれが常識とばかりに、すぐ劣化がくる家を購入してしまいます。海外では日本の家のサイズが海外と比べて小さいため、よく「ウサギ小屋」と呼ばれていますが、もしかすると、大量生産するために似たようなデザインの家になってしまい、個性がなく味気のない家という意味も含まれているのかもしれません。
日本のように家に寿命を持たないイギリスでは、これから何十年も住む家をどのように生かしていくかということに妥協は許されないと言います。