木のこと その2

強制乾燥材

強制乾燥材(KD材)とは、人工的に木材を乾燥させた、強制乾燥材あるいは人口乾燥材のことをいいます。伐採後短期間で建築構造材として利用するために、蒸気乾燥や燻煙乾燥などの方法で人工的に乾燥をおこないます。木材表面の材面割れを施工者はクレームと考える傾向が強く、木材表面に割れが起きにくいことから最近の住宅でよく使用されています。

木材を高温で乾燥させるデメリットとして、平成12年に「住宅瑕疵担保履行法」が施工されて、杉の心持ち材では120℃の高温乾燥が実施されました。しかし、木材の主成分であるリグニンの軟化温度は85℃のため、85℃以上の高温でリグニンを軟化させると木の組織結合を破壊し、強度の成分を失う可能性が高いです。また、高温処理でセルロースも糖分に変化してしまうため、耐蟻性を落とす可能性も高いです。高温での乾燥が材に影響を与えることが知られ、近年は50℃という低温で処理する低温乾燥に変わってきています。

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